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日本料理の食卓作法1-D

昨日の蒸し暑さが嘘のように、湿度の低いからっとした青空になりました。
夜明けが早くなっていて、3時過ぎには東の空が明るんでくる気配があります。
そしてとうとう今朝、今シーズン最初のカッコウの声が―:笑

昨夜は4時前に寝たのですが、本を読んでいるうちにみるみる明るくなってしまい、あわてて眠ろうとしたときに聞こえてきました。
今年も来たな~と思いつつ、カッコウの声を子守唄に眠る贅沢…。
3時間後にはいやおうなしに起床なんですが―:笑

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日本料理の食卓作法1-D

「箸」のお話 ~箸使いのタブー集③~

11.涙箸=箸でとった食べ物から、汁気がぽたぽたと卓上や膳の上に
        落ちること。


自分の器から物を食べるとき、汁気の多いものは器を持って受けながら食べると良いのですが、それをしないとこのようになります。
落ちた汁気がはねて衣服を汚すのも嫌なものですから、少し気をつけると防げます。

また、遠くの器から食べ物を取って自分のところへ運ぶまでに、卓上やお膳に点々と汁が落ちるのは、だらしない感じでちょっと見苦しいですよね…。
やはり受け皿や懐紙などをうまく使って、受けながらいただくとこぼれなくて済みます。
ちょっとの気遣いで、好感度UPですよ。

12.とんとん箸=箸先を揃えるのに、卓上や膳上にとんとんと打ちつけること。

白状第2弾―。私、これやっちゃってました。
初めて知ったとき、「えっ?ダメなのっ?!」とビックリしたことの一つです:笑

ダメな理由は、第一に、箸を大切に思う心から出たことです。
もともと神器から始まっている「箸」は、命=食物を口=身体に入れる、神聖なものです。
その最も大切な「口に入れる箸先」を、卓上などに打ちつけるのは良くない、大切に扱うべきだということですね。
第二は、箸先で卓上や会席盆などを傷つけるかもしれないということと、口に入れるものを卓上などに触れさせるのは不衛生だ、ということです。
こちらの理由は、かなり現実的―:笑

13.ほじり箸・さぐり箸=器に盛られた料理を上から順番に取るのではなく、
               下のほうを掘り返すようにして取ったり、自分の好きな
               ものだけをさぐり出して取ったりすること。


日本料理の盛り付けは、手前からまたは上から順番に取っていくと崩れなくてすむように出来ています。

人数分の盛り込みになっている場合は特に、1人分ずつ取りやすいよう工夫してありますから、それに応じて自分の皿へ取り分ければよいのですね。
その場合、自分の箸はもちろん、取り箸が添えられているときでも、自分が食べる分以外にはなるべく触らないようにして取るのがコツです。

どうしても嫌いなものがあった場合は、自分の取り皿にとってから残すようにします。
気取らない席なら、同席の人にすすめて食べてもらうようにしても良いのですが、その場合はまず「食べられないものがあるので、もし良かったら」と断り、先にそれを取っていただいてから残りを自分でとるようにすると良いでしょう。

14.空箸(そらはし・からばし)=料理に一度箸をつけたのに、食べないこと。

「えぇ~、あたしってぇ~、食べないヒトなんですよねぇぇ~」
……はい、食べる食べないは個人差がありますから、私のように他人の3倍食べるのもいれば、小鳥のエサほども召し上がらない方もおいででございましょう―。

しかし、皿の上の料理をつつき回してぐちゃぐちゃに、あるいは箸先で細かくし、
(ある意味箸使いが上手なのか?:笑)そのあげくにほとんど食べないのは、いかがなものでしょうねぇ…。

食べられない場合は、つつき回さずにどうか下げてもらってください。
自分で金を払っているのだから、どうしようと勝手かもしれませんが、ちょっと考えてみていただきたいのです―。

15.突き立て箸・仏箸=ご飯に箸を突き立てること。

亡くなった方へのお供え「枕飯」と同じになりますので、これはとても感じが悪いですよね。
ウチで会食をされたご家族の子供達が、面白がってやってしまったのですが、おじいちゃんおばあちゃんにこっぴどく叱られていました。
やっていいことと悪いこと、子供でもちゃんと説明すればわかります―。

16.渡し箸=器に箸を渡して置くこと。

これをする方、多いですよね…:笑
実はこれをすると「料理はもういりませんよ」という意味になるのですが、「えっ?何で?」というリアクションがほとんどだと思います。
器の上に箸を渡すのは「これ以上器の中には食べ物を入れません」という意思表示になり、すなわち「もういりません」ということになるわけですね。

食事中に箸を置くのは「箸置きに」が基本です。
箸置きが無い場合は、膳や折敷(おしき)、会席盆の右ふち、あるいは左ふちにかけて置きますが、礼儀作法の流派、懐石料理はお茶の流派によって若干の違いが有ります。

17.重ね箸=同じ物ばかりを続けて食べること。

これは別名を「ばっかり食べ」とも言います。
一品ずつ出てくるコースの料理なら順番に食べれば良いのですが、大皿盛りの料理がいくつか出ている時や、おかずとご飯が並んでいる時は、交互に食べると良いですね。

好きだからと同じ料理ばかり食べては、他の人の分が無くなるかもしれませんし、おかずとご飯は交互に食べることによって、口の中の味覚が鈍くならず、美味しく食べられるようになっているのです。

18.ずぼら箸=片手で箸と器を両方持つこと。

ある意味で器用とも言えますが、うっかり器を落とす確率は高くなりますし、箸先が何かに引っかかってしまうことも考えられます。
器は箸をいったん置いて、なるべく両手で持ちましょう。

19.紅箸=箸先に口紅が染み付くこと。

ごめんなさい、私が知る限り、これは圧倒的にある年代以上の方に多いのです。
むしろ若い女性たちのほうが、こうならないように気を使っているのですよ。

けっこうはっきりと赤い紅が付いている箸が多いのですが、ちょっと見苦しいですね―。
食事をはじめる前に、口元を押さえておくだけでずいぶん違うのですが…。
そしてこういう場合、食事を終えてから、その場所での化粧直しが始まる確率が、かなり高いです:笑

20.喰い付き箸=箸先をくわえたまま手を離し、そのまま器などを持ったり
           すること。


木枯らし紋次郎じゃあるまいし―と打ってから、あれ?このネタは年齢制限有りだなと気付きました:笑
もちろんこの制限は、ある一定の年齢以上ということで!:爆笑

笑い話はさておき、第一にくわえ箸はものぐさです。
ましてや、そのままでもし何かの拍子に前のめりになったらどうなりますか?
惨事は簡単に起きるのですよ。特に動きの激しい子供さんには、充分注意してくださいね。
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さて、20ばかりもズラズラと並べてみましたが、もっとあるかもしれません。
ただ、いずれにせよこのタブー集は、
「他人に不快感を与えないために」
「食べ物を大切にするために」
「先がとがっているので、危険が無いように」
ということを考えて、初めて出てくるものなのです。

ただ単に「みっともない!」という理由だけでは、なかなか納得しにくいと思いますが、ひとつひとつを見ていくと、「そうか、こういうワケがあるんだね―」とおわかりいただけるのではないでしょうか。

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