« しゃりふブログ30♪ | トップページ | 知りたい日本料理10―刺身(2)膾軒 »

知りたい日本料理10―刺身(1)なます

鏡開きも無事に済み、七十二候では「水泉動(すいせんうごく)」の頃合い、「泉の水が温かみを持つ頃」という意味ですね―。
鏡餅を下げたので、お店の飾りつけは「節分モード」になりました♪
ディスプレイ用に炒り大豆を桝に入れておいたら、朝より減っていてびっくり―。
どうやら、通りすがりにポイッと口に入れる方がけっこういらっしゃるようで…:笑
でも、明日以降はちょっと気をつけることにします―。
毎日入れ替えるものではありませんし、ほこりも入りますから、何かあってからでは遅いですものね…@@

ところでコレを書いているのは、13日(の真夜中というか早朝というか;)なのですが、私としては「昨日」と言いたい11日、在所では「だるま市」が開かれました。
毎年同じ日に、ある1本の通りを通行止めにして開かれる1日限りの市なので、とてもにぎやかで楽しいのですが……今年は行けませんでした…うぅぅぅ…:涙
お客様と打ち合わせのアポが入ってしまったので、仕方がないですね……小さいだるまさんが欲しかったのになぁ…orz
また来年を楽しみに待とう……!
=====================================

知りたい日本料理―刺身(1)なます

11月に「食卓作法」でいよいよ「会席料理のいただき方」を始めたのですが、「お椀」まで終わって次の「刺身」に行く前に、ちょっとお話をしておきたくなりました―。
世界でも類をみない、日本独特の料理である「刺身」について、その歴史と変遷をまとめてみましたので、ご笑覧くださいね―。

日本人が「刺身」をよく食べるのは、国土の周りを海に囲まれ、新鮮な魚介類が豊富に入手できたこと、これにつきると思います。
貝塚や集落跡地の発掘によって、この国ではずいぶん昔からさまざまな魚介類を食べてきたことが学問上もわかってきていますが、一番手をかけなくてすむ、という意味で、生食が多かったであろうことは、容易に想像がつきます―。
そして、料理ともいえないこの生食から、いわゆる「刺身」の原型としてのものが出てきたとき、それは「なます」と呼ばれました。

この
「膾/鱠(なます)」という言葉を広辞苑でひくと、以下のように出ています。
   1.魚貝や獣などの生肉を細かく切ったもの。
   2.薄く細く切った魚肉を酢に浸した食品。
   3.大根・人参を細かく刻み、三杯酢・胡麻酢・酢味噌などであえた食品。

このうち、日本でのいわゆる「刺身」の原型は1なんですが、古くは獣肉も「なます」にしたため、漢字が「にくづき」と「うおへん」の2種類あるのですね―。
(漢字自体は中国から入ったものですので、中国では日本よりももっと古くからこの調理法があり、「膾・鱠」とあらわして「かい」と読んだそうです)

日本での「なます」についての一番古い記録は、「古事記」や「日本書紀」とほぼ同時期に書かれた「高橋氏文(たかはしうじぶみ)」という祝詞の中にあります。

(以下は、阿部孤柳先生の「日本料理の真髄」 からの抜粋)
『十二代景行天皇が日本武尊の戦跡を訪ねられた折に、料理人として随行した磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)が、上総の国淡水門で、海中から白蛤(うむき・はまぐりのこと)と鰹(かつお)を獲って、なますにして天皇に奉った』

汚染されていないきれいな海で、獲れたてのものをその場でなますに造ったのですから、美味しくないはずがありませんよね(^^)
そのとおり、天皇は大変喜ばれ、磐鹿六雁命は以降、「高橋」姓を賜って代々天皇家の料理を任せられる家柄となり、それは明治になるまで続いたわけですが、そのお話はまた別の機会に…:笑

「なます」に話を戻しますと、当時はもちろんまだ醤油がありませんでしたから、海水から作った塩と、白梅酢や柑橘類の酸っぱい搾り汁で食べていました。
「なま(生)」を「す(酢)」で食べていたから「なます」だという説もあるくらいです―。
以下続く…!

|

« しゃりふブログ30♪ | トップページ | 知りたい日本料理10―刺身(2)膾軒 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

テーブルマナー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 知りたい日本料理10―刺身(1)なます:

« しゃりふブログ30♪ | トップページ | 知りたい日本料理10―刺身(2)膾軒 »