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出雲を旅する‐2

20時半や21時スタートの会食が続き、連日24時近い帰宅が続いています。
お出かけの日々が、なんだかすごく遠い過去のような気がしますよぉ…:涙

>さて、お出かけ編は「宿泊」をお送りします。
今回は、完全に「お客様」の立場で泊まってみようということで、日中の仕事とは切り離して宿を選び、個人名で予約をとりました。
2軒の宿にお世話になりましたが、それぞれのお部屋とお風呂はいずれも素晴らしく、それぞれを堪能させていただきました。
ただ、残念なことに、食事とそのサービスに関しては明暗がはっきりと分かれてしまい、それがまた、私にとってはいい勉強に……;苦笑
これは、それぞれの宿のコンセプトと、サービス意識がどのようなタイプのお客様へ向いているか、それが確実に浮き彫りになったケースだと思います。

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~玉造温泉での宿~
・客室/本館&新館 計54室 ・収容人数/270名
・宿泊料金 1人21,700円~(平日の1泊2食付きで新館、2名同室の場合)


<部屋と温泉>
1201 今回宿泊した、新館のお部屋です。
離れをイメージして作られているらしく、それぞれの部屋が広くてゆったり過ごせるような配置になっていました。
間取りは、10畳の和室に4.5畳の次の間付きで、こちらには、嬉しいことに「火燵」の用意がしてあります。
また、専用の小上がりと庭下駄が用意されていて、直接庭に出られるようにもなっていました。
他には、ウォシュレット付きの洋式トイレ個室と、ユニットっぽいつくりですが内風呂と、広めの洗面台が設置されています。
定員は一応4名でしたが、子供連れやグループでのご利用の場合は、6名ぐらいまでなら対応してくれるとのことでした。
ただし、本館よりも各部屋が広く設備が良いということで、新館の方がやや高めの料金設定になっています。

大浴場は男女各1ヶ所ずつでしたが、それぞれ大きな露天風呂付きで、広々とした清潔感のあるつくりで、ゆっくりと温泉を楽しむことが出来ました。
また、出入り口付近には、掛け湯専用の湯槽があって、木の手桶での上がり湯を楽しむことが出来ます。
この湯槽は、かがみこまなくても汲めるように少し高く作ってあり、とても便利でした。
他にも、浴槽にはしっかりとした手すりがあったり、石の床が滑りにくいように加工してあったり、木の素材をうまく組み込んで、柔らかさと温かみを感じられるようにしてあったりで、子供や年配の方達でも安全で使いやすくなっていたのは、さすがと思いました。

<食 事>
残念ながら種々の事情により、この宿の料理写真はありません―。
料理の内容自体は、はっきり申し上げて残念な内容だったと思います。
夕食は、部屋出しでのコース料理でした。
大きな長手盆に、ほとんどの料理をのせて運んできましたが、それらを並べた時点で、固形燃料を使う小鍋以外は、煮物、蒸し物、焼き物など、全部冷たい状態でした。
あとから運ばれてきたものは揚げ物のみ、さすがにそれはまだ温かいうちに食べることが出来ましたが、なんだかもったいない出し方でしたね…。
品数は全12品ほど、現地の名物や季節物なども取り入れて、献立自体は悪くないと思いますが、サービスの方法をもう少し工夫すればなんとか…と思うことしきりです。
コースの最後の水菓子が、小皿に乗った丸のままの皮付きみかん1個だったのは、ご愛嬌というところでしょうか:笑
料理そのものは、手が込んでいるというよりも、まとめて作ってそれを小さく切ったり、小分けにしたりして盛り付ければ、とにかく大人数でも対応できる、というのがはっきりわかるものでしたし、食材会社が下ごしらえまでしてから納品する半製品も多く見受けられました。
しかしこれは、宿の性格が団体旅行のお客様向きである以上、ある程度は仕方のないことなのだと思います。
ただ、今後の団体旅行減少を見越して館内改装や新館の新築をし、じょじょに個人客対応にシフトしていこうというお考えもあるようですので、そういう点からは、今後にいろいろと課題を残しているように思いました。

<サービス>
フロントや仲居さんなどのサービスを拝見すると、全体的には団体客向けのサービス色がつよく、個人や少人数のグループへきちんと向き合ったサービスはあまり得意でないような印象を持ちました。
今回、ちょっとしたことがあったので、余計にそう感じるのかもしれません―。
夕食時に頼んだ燗酒の味があきらかに水っぽいので、
「とても水っぽくて、味がおかしいようですが…」
と仲居さんに言ってみたのですが、彼女は料理出しの手を止めることなく、
「そういうものなんじゃないですか~?私はお酒をいただかないのでわかりませんね~」
と、こう言うのです。
結局彼女は燗酒をそのままに、何もせず下がってしまったので、その後食事が済んだあとに部屋へみえた男性に、もう一度燗酒のお話をさせていただきました。
男性は自分で一口飲んでみて、
「あれっ?本当ですね…お調べします」
と部屋を出て行ったのですが、しばらくして戻ると、
「いやぁ、昨日、久しぶりに燗をする機械を洗ったんですよ。それでですね、その時に入れたお湯を抜くのを忘れたようで、今日そのまま燗をつけちゃったようですね」
ニコニコしながら、こうおっしゃいます。
その場を、しばらく沈黙が支配しました―。
『……それで…???』
あの時その場に居た全員がそう思いましたが、結局男性の口から出たのは
「会計から外しておきますから~」
という言葉だけでした。
「済みませんでした」「申し訳ありません」
という一言は、とうとう無いままだったのです―。
きっと彼らは彼女らは「たいしたことじゃ無い」と思ったのでしょうが、そのあまりにも悪びれない堂々とした様子に、逆に私たちがハラハラしましたよ。
もし自分のところで同じようなことが、と思ったら、大変なことですもんね:笑
そして翌朝、さらにオチが一つ―。
チェックアウトの時、あのお湯割り酒がしっかり計上されていたのです:笑
しかも、ビル(計算書のこと)にはメモ用紙が付いていて、カウンターのこちらからも読めるような大きな字で「クレーム」と書かれているではありませんか…!
これには、支払いを担当した人間がさすがにムッときたようで、
「飲めなかったお酒に支払うお金は無いし、そのメモはかえって失礼じゃないかな」
と言いましたが、フロントの若い子は何のことだかさっぱりわからない様子です。
「クレーム」とは書いてあっても、事情が伝わっていないようで、負けず劣らずムッとした顔と口調で、
「じゃあ、お酒は頼んでないんですね」
と聞いてきました。
結局、また説明を一からして、ビルを作り直してもらうハメに…;苦笑
なんだか、だんだんこっちが悪いことをしているような気になり、切ない思いで宿を後にしました―。
こちらの宿では、高い授業料を払って、とてもいい勉強をさせてもらったと思っています。

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コメント

なるほどプロの視点はさすがです。
私など部屋に入るなり「お疲れ様!」と言ってビールで乾杯し、温泉につかってゆったりしたらあとはまた飲むだけですから細かいところに気づきません。
確かに水っぽい酒と感じたことはあるし、冷たい料理のことも多々あります。翌日の会計は中身をかくにんしたこともないし本来の客としては「ダメじゃん」ですね。
良い勉強になりました。今度から少しは目を光らせます。

投稿: トムノグ | 2007年2月18日 (日) 11:43

今晩は。
私はB級グルメを自負しておりますので、ヘンな酒やヘンな料理は沢山食べております。だから美味しいものを食べたときの喜びもひとしおなのですが、たまにはきちんとしたサービスと食事をとりたいこともあります。
なのでホテルや旅館でこんなことがあるとかなり寂しいですねえ。
「不味い」・「変だ」といったセンサーも結果的に鋭いので、お店のごまかしやうそにも結果的に鋭くなりましたが、こういうことに気づくことが少なからずあります。でも、ちっとも嬉しくないです・・・

投稿: 満月 | 2007年2月18日 (日) 21:36

トムノグさん、こんばんは♪
いいえ、お客様として「ダメじゃん」などということは一切ありません。
むしろ、お客様としては「大正解」のことです:笑
そして、宿を全面的に信頼していただいてるという証でもありますから、こんなにありがたいお客様はありません―。
今回問題なのは、サービス側が、何の心配も無しにのんびりと湯に浸かって飲める安心をお客様に差し上げられない、ということであり、支払っていただく価格に見合うものをご提供できない、ということです。
昨日、酒燗器に掃除のために入れたお湯が、残酒の成分と保温機能によって雑菌を発生しているかもしれません。
それを平気でお客様へ出せる神経は、同業としてどうなのか、と思ったわけです。
“快適”とともに“安全”を売っている私たちは、お客様のご利用方法がどうあれ、最低限の手順は守らなければならないと思っており、それがプロだと自負しています。
菓子メーカーの不祥事などを見るにつけ、特に「他人事でない」と思うのですよ。
ただ、これはあくまでもサービス側の問題ですから、お客様には何も考えずに楽しく過ごしていただければと思う次第です(^^)

満月さん、こんばんは♪
サービス業で一番辛いのは、お客様の期待に応えられない、ということですね。
宿やレストランには、雰囲気を楽しみに来ている方も、味やサービスを楽しみにしている方も、友人の付き合いで来ている方もいらっしゃると思いますが、どんな方も共通しているのは「イヤな思いはしたくない」ということだと思うんです。
そしてもう一つ、「まさかプロの店が、おかしなことをするはずが無い」という、暗黙の信頼があると思います。
日常の瑣末なことに、私たちサービス業の誠意が試されている、と思うことは多いですよ。
レストランでは、店内の清掃に加えて、ビールサーバーや酒燗器を毎日洗うこと、食材や食器の衛生管理を守ることなど、地道で誰もわからない、というようなことがそれにあたります。
今回のことは、同業だから厳しいわけでなく、お客の視点でいたから寂しかったというのが本音ですね…。
満月さんのようなお客様に「嬉しくない」思いをさせないためにも、自分自身が今回のことを教訓にしていきたいと思います。

投稿: okamider | 2007年2月20日 (火) 02:13

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