« しゃりふブログ37♪ | トップページ | 知りたい日本料理10―刺身(6)補完・素材と切り方 »

知りたい日本料理10―刺身(5)“ひく”ための包丁

1月21日を最後に、1ヶ月以上も“テーブルマナー”関連の記事がありません:笑
こんなんでいったい何が「食卓作法」なのか…orz
しかも、最近ではすっかりご案内も出さずに、不精していて申し訳ありません!

マナー・料理関連のみご覧になりたい方は、
左のカテゴリーから“テーブルマナー”“グルメ・クッキング”を
クリックしてください。
関連記事のみを、まとめてご覧いただけます―。

================================
知りたい日本料理10―刺身(5)“ひく”ための包丁


Photo_59 日本料理の世界では、料理人が使う「包丁」を職場で共有するということがほとんどありません。
特に、魚をさばいたり刺身を引いたりするための包丁は、必ずと言っていいほど、個々が自分専用のものを誂えて持っています。
共有しているとすれば、せいぜい「菜切り」や「皮むき」などの、野菜の下ごしらえをするもの(薄刃包丁)くらいですかね…。
しかし、これだとてもちろん自分専用を持っている人が多いですから、それだけ、日本料理の料理人にとっては、大切な道具というわけです―。

ちなみに↑の写真は、今年の1月からウチの板場に「助さん」で来ていただいている方のものです―。
50代の方ですが、毎日持ち歩いている包丁が15本ぐらい、鍵のかかる、黒革のしっかりとしたケースに入れてあります。
この方は、料理人の会からあちこちに派遣されるので、道具の扱いには特に注意しているそうですよ。
なぜなら同業者が見たときに、道具の良し悪しや手入れ具合で、ほぼその人の技量が読めてしまうからですね―。
ずうずうしく「写真撮らせてください♪」と言ったら、照れくさそうに並べてくれましたが、横で見ていた板長が一言、「あ、やっぱりアレは出さないんだね:笑」と…若い衆も何だかがっかりした様子でしたけど……@@
話がまったく???だったのであとで聞いたら、料理人なら誰でも欲しがる、作家さんの一点ものの包丁を何本かお持ちとのことでしたが、きっともったいなくて出せなかったんだろう、と言われてちょっとガックリ…:苦笑
いや、絶対あとで見てやりますとも―覚悟しろよ~:笑

さて、この大切な道具である「包丁」は、日本において独特の発展をとげています。
魚をさばくためのものや、刺身を引くためだけのものが個々に何種類も考案され、使い込まれ、改良されて現在に伝わってきました。
以下に、現在使われている和包丁をいくつかご紹介しましょう―。
       
        <魚をさばくための和包丁>
   出刃・小出刃(“アジ切り”ともいう)・身卸し・舟行
   マグロ刀・サケ切り・カツオ皮むき・カツオ頭割り
   ウナギ割き(江戸型、大阪型、京都型、名古屋型、伊勢型などがある)
   ハモ割き・ハモ骨切り

        <刺身を引くための和包丁>
   柳刃(“正夫”ともいう)・蛸引き・フグ引き・切り付き
                      (和包丁についての詳しいことはこちら
特に刺身用の和包丁は、切る時に魚の身の繊維をなるべく壊さないようにと長めに考案され、刃物の重みで一度だけ引いて切るのが特徴の片刃包丁です。
これは、刃を往復させたり、力を入れて押し切りをすると、摩擦で切断面の繊維がつぶれてしまうため、見た目や味が悪くなるのを避けるために考え出されたわけですね。
刺身を切る時、長い刺身包丁の刃元から刃を入れ、刃の長さいっぱいを使って引き切りをする、というお話を前回しましたが、さらに、切ったあとに刃から身が離れやすいように裏面に工夫がしてあるため、素材を傷めることがありません。
こういったことは、世界一の切れ味を誇る日本刀を鍛えるすべが転用されたといわれる、優れた鍛冶の技術があって初めて可能になることなのですが、他に類を見ない、わが国だけの特有な事例と言っていいでしょう―。
もちろん、切れ味の保持には大切な扱いと、丁寧な手入れが欠かせません。
そのため、調理人は包丁を命の次に大事と思い、他人と共有せずに毎日の手入れを怠らないというわけです。

|

« しゃりふブログ37♪ | トップページ | 知りたい日本料理10―刺身(6)補完・素材と切り方 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

テーブルマナー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 知りたい日本料理10―刺身(5)“ひく”ための包丁:

« しゃりふブログ37♪ | トップページ | 知りたい日本料理10―刺身(6)補完・素材と切り方 »