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知りたい日本料理10―刺身(6)補完・素材と切り方

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明日(もう今日ですが:笑)13日(火)~16日(金)まで、毎年恒例の業界向け展示会が行われます―。
毎回いろいろと勉強させてもらうので、今回も開催期間中、どこか1日行くつもりで居ますけれど、楽しみですねぇ…わくわく♪…(^^)
そして、別会場ですが食品関係の展示会もありますので、そちらも興味深いです。
ただ、1日で両方回るのは、けっこうキツイんですよね:苦笑
いろいろ話も聞きたいし、見たいものも多いとなると、やっぱり2日は欲しいなぁ…;

ところで…先日UPした“素材と切り方”について、だいぶ書き漏れがあったので補完させていただくことにしました―m(__)m
このブログについては、いつもざっと下書きをしてから本文を書くようにしているのですが、なんだかあちこちにいくつも下書きがとっちらかってしまい、まとめきれなかったのが敗因です;苦笑
では、↓からどうぞ…(^^;)
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知りたい日本料理10―刺身(6)補完・素材と切り方

「一切れ一寸」
刺身の切り方についていくつかの方法を書かせていただきましたが、いずれにしても刺身には「一切れ一寸(約3cm)以内につくる」という定石がありますから、板前はそれを守って刺身をひかなければなりません。
これには、人間が必ず一口で食べられる大きさにする、という理由がありますから、やむなく長い切り身になるときでも、二つ折りにしてちょうど一寸以内に収まるように切るわけですね。
このつくり方を「長手造り」「手長造り」といいます―。
最近では、握り寿司のねたでも大きい方が喜ばれるようですが、本来は人間の口の大きさを基準とし、一口で食べられる“一寸”に合わせるのが作り手の常識です。
私は、箸先でちぎったり、二口三口と噛み切らないと食べられない大きさの刺身を美味しいとは思えません。
“大きさ”も味に密接に関係するとして定石をつくった先人には、頭が下がる思いです―。

「食べにくい魚を食べやすく」
刺身にする魚のなかには、単純に魚をおろし、身をさく取りしただけでは食べにくい魚があります。
それらの魚は、くせがあったり、骨が多かったり、皮がゼラチン質で噛みにくかったりするわけですが、板前は、一手間かけて加工することで、食べやすく美味しくなるように研究を重ねました。
それには次のようなものがありますので、いくつか簡単にご説明しましょう―。

<洗い> 
活魚をおろして薄くひき、冷水で洗って余分な脂肪をのぞいて身を締める。
<湯引き・湯通し> 
さくのままゆっくりと鍋の湯に通し、臭みなどを引き出してから冷水にとって身を締める。
<焼き霜>
ゼラチン質で食べにくい皮付きの魚の皮目を、強火でさっと炙る。
<松皮>
鯛を皮付きでおろした場合、ゼラチン質で厚い皮を食べやすくするために、熱湯をかけて皮目だけに火を通す。
熱で縮んだ皮目が、松の幹に似ているのでこう呼ぶ。
<たたき>
・鰹(かつお)の場合
おろした身の皮目を火で炙り、薬味をのせて余分な水分が抜け、香りがうつるまで包丁のひらで叩く。
・鯵(あじ)、鰯(いわし)などの場合
おろした身を、薬味や味噌などとともに包丁の刃で叩く、漁師料理。
<骨切り>
鱧(はも)や鮎魚女(あいなめ)などの小骨の多い魚の場合、皮目ぎりぎりまで細かく包丁を入れて食べやすくする。

「地域別の素材」
ごく一般的な印象として、関西では白身の魚、関東では赤身の魚が好まれるようですが、これはそれぞれの地域に近い漁場で獲れるものが影響しているようです。

昔は今ほど流通が盛んではありませんでしたから、これには、瀬戸内海で獲れる白身の魚が主として関西で消費され、太平洋で獲れる赤身の魚が関東で消費されるといった図式があるように思います。

河豚(ふぐ)、鮃(ひらめ)、鰈(かれい)、鯛(たい)などがどちらかというと西の方でよく食べられてきたのも、関東ではまぐろがよく食べられるのも、この図式に当てはめれば何ら不思議はありません。

一方、近海で獲れる青背の魚、鯵(あじ)や鯖(さば)、鰯(いわし)などは、もっとも身近な魚として関東関西を問わずによく食べられていました。
傷みのはやい青背魚を、なんとか保存して長期に食べられるようにしようと考えられたのが「鯖寿司」や「ままかりの酢漬け」「小鯛の笹漬け」などの、酢を使った調理法です。
酢は塩とならんで最も古くから使われている調味料ですが、殺菌力もすぐれた酢は、たいていのものを美味しく食べられるようにしてくれます。
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さて、こういったことを考えていくと、「切って盛り付けるだけ」の単純な料理にみえる刺身が、実は大変に奥の深いものであるということがおわかりいただけるでしょうか―。
刺身とは、素材の研究を重ね、食べにくい魚も毒のある魚も、なんとか食べられるようにと知恵を絞ってきた料理人の経験が受け継がれた、高度な技術をもって作られる料理なのです。

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コメント

今晩は。
刺身のお話は結構長く続くものなんですねえ。びっくりです。「生魚」を料理にまで高めた先人たちの努力って物凄いものだったんですね。私なんぞは、今の今までよく考えないで食べていましたよ。

投稿: 満月 | 2007年3月13日 (火) 22:19

満月さん、こんばんは♪
はい…刺身の話だけで引っ張っているようですみません;
まだ紹介していないお話もあるのですが、なんだかとっちらかるだけなので、そろそろ先へ進みますね(^^;)
食べる時に、いちいちいろんなことを考えていては大変ですが、料理人が美味しく食べていただこうと思って作っていることだけはわかっていただけると嬉しいです♪

投稿: okamider | 2007年3月14日 (水) 01:27

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